不動産の分割方法 [現物分割,代償分割,換価分割]

不動産を相続した場合、その不動産をどのように分割するかといったことが課題になることがあります。
当事務所では、以下のような分割方法の特徴を念頭に、分割方法を適切にアドバイスさせてただいております。

1)現物分割の特徴

土地の相続を考えてみます。
300㎡の土地を配偶者と2人の子供が相続したとします。相続のルールでは配偶者が150㎡、子供がそれぞれ75㎡を相続することになります。
しかし、現実はさほど単純ではありません。分筆などにより分割した土地が道路に面しているのか、日当たりなどの環境面はどうかといったことで、実際には価値が大きく異なるからです。
そのため、分割協議に比較的長く時間を要してしまうということが特徴といえるでしょう。
また、相続した土地が狭く、活用できないといったことも時としてありますので、現物分割をするには、「ある程度の敷地を有する土地の相続」であることが前提だと考えられています。

[参考] 不動産の共有について

このような現物分割の特徴から、土地の分割についてはその分割協議が難しく、結果、相続人による共有とされてしまっているケースも多く見受けられます
しかしながら、共有不動産は、売却には共有者全員の合意が必要であったり、短期賃貸借には共有分の過半数を持つ共有者の同意が必要となるなど、共有者単独での物事を決められなくなってしまうというデメリットもあります。
また、共有状態が長期間に渡れば、更なる相続が発生しその不動産の所有者がさらに増加するなどで、より遺産分割協議が複雑化することになります。
労力は要しますが、極力、共有状態を避け、現物分割や以下にご紹介する代償分割や換価分割を検討されることをお勧めします。

2)代償分割の特徴

仮に亡くなった方(被相続人)と相続人のひとりが同居をしていた場合などに多く見受けられる分割方法です。
対象不動産を相続する相続人が他の相続人に、対象不動産の価値に相続分を乗じた額を支払うという分割方法です。
なお、代償分割を行うことを取り決めた時は、必ず遺産分割協議書に記載しましょう。
また、代償金支払い時期も遺産分割協議書に記載することをお勧めします。遺産分割協議後、代償金の支払時期に関する認識相違でトラブルが生じることがあるからです。

3)換価分割の特徴

相続対象不動産を第三者の売却し、それによって得た対価を分割する方法を換価分割と呼びます。
この場合は、一旦相続した不動産を売却したという扱いになるため、売却益に対して、譲渡所得税が課せられることを記憶に留めておいてください。

遺産分割協議書には、登記手続きや納税なども意識し、その分割内容を明確に記述するに必要があります。
分割方法や遺産分割協議書の作成など、お気軽にご相談ください。

 

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takezo
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