第2章 なにが遺言できるのか?
遺言によって定めることのできる事項については、法律で規定されています。以下に代表的な例を記載します。
1)遺贈
法定相続人以外の者を財産の受取人に指定することができます。
2)相続人の廃除
遺留分を有する推定相続人(兄弟姉妹以外の法定相続人)が被相続人に対する虐待や侮辱等を行ったとき、被相続人がその者の相続権を剥奪したいと考える場合、相続権の失効を家庭裁判所に請求する旨を遺言できます。
3)子供の認知
子供を死後に認知し、財産を相続させることができます。
4)相続分の指定
被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を定めることができます。相続分の指定は、各相続人についてそれぞれ何分の何と明記します。
5)遺産分割方法の指定
「甲には不動産を、 乙には預貯金及び現金を相続させる」 というように、 分割の具体的な方法を具体的に定めることができます。(現物分割)
また、「甲には全ての財産を相続させる代わりに、甲は乙に対して金○万円を支払う」といった方法(代償分割)や「不動産を売却して、甲乙はその売却金の各2分の1を取得する」といった方法(換価分割)も指定できます。
6)遺産分割の禁止
最長5年間、遺産分割を禁じ、相続人の共有とすることができます。
7)特別受益の持ち戻し免除
特定の相続人に対する特別受益の持ち戻しを免除させることができます。
※特別受益:相続人のうちで、被相続人から生前に贈与を受け、または遺贈を受けた者を特別受益者といいます。特別受益者がいる場合、公平の見地から、全体の相続財産に特別受益分を加算して、ここから各自の相続分を計算します。なお、特別受益者については既に受けている額を差し引いた額が相続分となります。
8)祭祀主宰者の指定
仏壇、墓を引き継ぎ、葬儀・法事などの祭祀を主宰する人を指定できます。
9)遺言執行者の指定
遺言の内容を確実に実行してくれる人を指定できます。
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